2023.06.30
賃貸住宅を探す入居希望者は、アクセス・間取りなどと合わせ、住居内の設備にも注目しています。
中でも、キッチンの使い勝手の良さや快適性にもこだわる方は多く、物件の付加価値、そして空室対策としてもキッチンリフォームは非常に有効です。
今回のコラムでは、賃貸物件のキッチンに「システムキッチン」を導入する際の参考として、従来のキッチンとの違いやシステムキッチンの種類など、さまざまな情報をお届けしたいと思います。
年代の古いタイプのキッチンは、シンク、コンロ、作業台などが一体ではなくそれぞれが単体の構成となっているような造りが多いです。
収納もあるけれど、高さも深さもある一方で、奥の物が出しにくいなど、決して料理をする人の動線が考慮されているとは言いづらいものです。
今回ご紹介するのは、現在のキッチン設備で主流となっている「システムキッチン」です。
システムキッチンとは、シンクとコンロ、調理の作業台などがセットになっており、天面は1枚につながった状態で構成されているキッチンです。
お掃除のしやすさだけではなく、収納部の出し入れのしやすさにしっかりと工夫がされています。
キッチン下の収納は基本的に引き出しタイプになっており、
・薄型(布巾やゴミ袋、ジップロックやラップ・アルミホイル、お弁当の小物など)
・深型(お鍋やプライパン、ボウルやザルなどの調理器具)
・調味料用の小さな引き出し
・調理器具用の引き出し(菜箸、お玉、フライ返しやトングなど)
このように、調理器具の大きさや用途によって整理して収納できるようになっています。
また、使い勝手だけではなく、コンロマ周りの油ハネなどの汚れや、レンジフード(換気扇)の掃除もしやすい点も特徴です。
システムキッチンには、形状や配置によるさまざまなタイプがあります。
今回は賃貸物件のリフォームにおすすめのシステムキッチン、2タイプをご紹介します。
■I型
コンロやシンクなどの作業スペースが壁に沿って一列に並んで配置されている、最も一般的なI字型のシステムキッチンです。
横移動のみの動線が確保でき、また、限られたスペースに必要な機能を集められていることが特徴です。
作業中はリビングやダイニングに背を向けることになるので、小さなお子さんがいるファミリー向けの物件には適さないかもしれませんが、省スペースで最低限の設備を必要とするシングル層向けの物件には最適です。
■L型
シンクとコンロ、どちらか一方が壁に面し、もう一方の配置が直角に位置するレイアウトのキッチンです。
シンクとコンロの距離が近く、調理や片付けにおける動線が短く作業効率が良い点が人気の理由です。
■ペニンシュラ型
キッチンの左右どちらかが壁に接している対面タイプのキッチンです。(カウンターキッチンと呼ばれるのもこのタイプが多いです。)
リビングやダイニングなどのスペースに向いて立つことができるため、家族の様子を見ながら調理ができるレイアウトです。
また、キッチンとリビング・ダイニングの間にカウンターをつけることで手元を隠すことができます。
また、様々なメーカーがそれぞれ特徴あるシステムキッチンの設備を展開しています。
~システムキッチン 主要メーカー~
・リクシル
シンプルなデザインと手頃な価格帯から、オプションによって幅広い機能性を持つシステムキッチンを手掛けており、賃貸物件においても導入しやすいメーカーです。
・クリナップ
インテリア性の高いデザインが特徴で、豊富な色・柄のバリエーションから内装の雰囲気との合わせやすさがポイントです。
・パナソニック
全自動の掃除機能付きレンジフードなど、お手入れや使い勝手の良さにこだわった、家電メーカーの知見を活かした製品展開をしています。サイズ展開豊富で、リフォームならではの要望に的確に応えてくれます。
・TOTO
トイレのイメージが強いTOTOからは、シンクのぬめり防止機能「きれい除菌水」など、機能性の高い製品が揃っています。
・タカラスタンダード
リーズナブルな価格帯のものから、機能・デザインにこだわった高級ラインまで幅広いラインナップで、予算に応じた細かい要望が実現するのがタカラスタンダードのシステムキッチンです。
各メーカーごとに、それぞれの機能や価格帯に特徴があります。
リフォームとなるとサイズや予算も限られますが、色々なメーカーから入居者の要望を満たすシステムキッチンを選ぶことで、物件にとっての付加価値となることでしょう。
ポイントその1
物件のキッチンをリフォームする際は、予算はもちろん、入居者層が求めている仕様・設備を探ることから始めましょう。
特にコンロについては、ガスにするかIHにするかで、入居者にとって重要な「使い勝手」や、「ランニングコスト」(=光熱費負担)などが大きく異なります。
例えば、物件がLPガスの場合は、ガスコンロの場合都市ガスよりもガス代が高くなります。
IHコンロも一時期人気が高まっていましたが、現在の電気代値上や、調理器具・調理方法の制限などによって、ガスコンロの人気が再燃しているとも言われています。
年IHコンロの需要も増えています。
入居のターゲットとなる客層が何を求めているか、また、ご自身の物件の特性を考慮しながら、ガスかIH、どちらを導入するかを選ぶようにしましょう。
更に、物件の入居者が学生やシングル層中止の場合、複数口コンロではなく1口コンロで十分というケースもあります。
ポイントその2
キッチンのリフォーム工事を行う場合、あまり費用を掛けずに行うにはキッチンの位置をずらすことはおすすめできません。
交換・設置であればもともとの配管を活かして設置を行うことができますが、現状のキッチンと大きくレイアウトが変わる場合は、配管・配線を新たにし直す必要が出てきます。
それに伴い床や壁の補修が更に必要になりますので、工事を行う場合は設置場所についても事前に検討しておきましょう。
今回は、賃貸物件のキッチンリフォームとして、システムキッチンについてご紹介しました。
トイレや洗面の交換に比べリフォーム費用も高額になりますので、リフォームを検討する際は予算と費用対効果をしっかりとシミュレーションするとともに、ターゲット層のニーズにマッチする内容かどうかにこだわって設備を検討するようにすることがとても大切です。
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