2023.06.26
賃貸物件オーナーの皆様へお届けする今回のコラムは、築古物件に多い和室と、最近主流の洋室、それぞれのメリットとデメリット、そして重要なポイントであるリフォームの必要性について掘り下げます。
賃貸物件の成功には、部屋の選択とリフォーム戦略が欠かせません。
空室問題で大変な状況になる前にぜひ早めに対策を練っていただくため、和室と洋室の魅力とリフォームの重要性について、ぜひご一読ください。
賃貸物件を所有するオーナーの皆様にとって、部屋タイプの判断は重要な決断です。
築古物件に多いとされている和室。一方、近年の主流の賃貸物件の多くは洋室がメインで作られています。
実際のところ、和室と洋室どちらが好まれる傾向があるのか、まずは和室と洋室それぞれの魅力を考えてみたいと思います。
~和室の魅力~
和室は日本に古くからある伝統的な日本の住まいの要素を取り入れた空間であり、昔ながらの生活スタイルに魅力を感じる方々に好まれます。
畳の香りと触感、木の風合いが和室の特徴であり、その落ち着いた雰囲気は心地よさを与えます。
また、畳は弾力性があるため、床に座ってくつろぐことができるという利点もあります。
さらに、和室には押入れがあることが多く、季節ものの家電や布団など、ある程度大きさのあるものも収納できる造りも魅力の一つです。
~洋室の魅力~
一方で洋室はシンプルでスタイリッシュな空間で、様々なインテリアや家具に合うため、若い世代の方々を中心に人気があります。
洋室は家具の配置やレイアウトによって部屋をスタイリングしていける要素もあり、柔軟に雰囲気を変えることができます。
また、使われている設備・資材が現代の最新の機能性を持つものが多く、汚れにくいクロスや掃除のしやすい床など、手入れのしやすさといったポイントもあります。
このように、魅力はそれぞれですが、一般的に人気なのはやはり洋室だと言えるでしょう。
和室が選ばれにくい理由としては、『オシャレじゃない(デザイン面)』『ダニが気になる(衛生面)』『掃除がしにくそう』といった、見た目や快適性においてマイナス面を感じる方は多いようです。
和室を洋室に変えるリフォームを行うメリットをご紹介します。
その1 掃除・お手入れのしやすさ
畳の掃除は、掃除機でも掃除ができなくはないですが、掃除機によって畳を傷つけてしまったりすることも。
また、室内に湿気が溜まっているとカビが生えたりダニが発生したりと、衛生面の管理がしづらいといったことがあります。
その分、フローリングは掃除機を気兼ねなく使え、また、フローリング用のシートで簡単にホコリや汚れを取ることもできます。
そしてフローリングの床に何かをこぼしてしまっても、水拭きが簡単にできるので汚れも落ちやすいといったメリットも。
その2 部屋のスタイリングの幅が広がる
現在の日本の住居は基本が洋室の設定です。そのため、家具やインテリアといったお部屋に置くものはだいたいどんな洋室にもなじむようにデザインされています。
また、窓周りもカーテンやブラインドなど、様式スタイルとなっているため、洋室なら家具のミスマッチやインテリアとの干渉もほぼなく、入居者は自分好みの部屋へと自由にスタイリングを楽しむことができます。
リフォーム1 床工事
和室から洋室へのリフォームの要となるのが床工事です。
畳を剥がし、他の部屋や建具との段差を解消するために床の下地工事を行います。
※下地工事の段階で、床暖房や防音工事を併せて行うこともできます
床の下地が整ったら、次に実際にフローリングを貼る工事を行います。
床材も、合板のフローリングからクッションフロアなど、さまざまな材質のものがありますので、機能面と予算面を考慮しながら工事内容をきめていきましょう。
リフォーム2 壁・天井の貼り替え
壁に関しては、元々の和室の壁が塗り壁なのか、それとも下地にクロスが貼られている状態なのかによってもことなります。
フローリングの色味や部屋のコンセプトに合わせて、壁のクロスと天井にもクロスを貼っていきます。
リフォーム3 押し入れからクローゼットへの改修
和室の押し入れは奥行きが深く、布団をしまっておくのには最適ですが、洋服の収納にはあまり適していません。
・上下の仕切り段を撤去
・奥行きを浅くする
・パイプハンガーなどの設置
・襖は引き戸や開き戸の建具に交換
このような内容でクローゼットへと改修を行いましょう。
~工期について~
工事内容によっても異なりますが、例えば床工事のみの場合は2~3日程度、その他、クロス貼り替えやクローゼットの造作なども併せて行う場合は1週間程度が大体の工期の目安となります。
ただ、先ほどの目次でもお伝えしたように、もともとの和室の状態や構造によっても工期が変わりますので、大掛かりになりそうな場合はもう少し長めに掛かると認識しておきましょう。
築年数が経っている賃貸物件を所有するオーナーの皆様にとって、空室化の課題は重要な悩みの一つです。
特に和室が多い物件をお持ちの場合、現代の入居者のニーズに合わせてリフォームを検討することも必要かもしれません。
現代の主流の住宅環境やライフスタイルの変化により、多くの方々が広々とした洋室を求めています。
築古物件においても、和室から洋室へリフォームすることによって、より幅広い入居者層のニーズと合致する物件へと生まれ変わらせることができ、増えつつある空室を埋め収益化できる可能性が高まります。
是非この機会に和室から洋室へのリフォームを検討し、空室リスクを軽減する施策を進めてみてはいかがでしょうか。
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