2023.03.23
空室対策として近年注目されているのが「DIY可物件」。
従来、賃貸住宅では契約上入居者が勝手にリフォームを行うことは不可とされてきましたが、2014年に「借主負担DIY型賃貸借契約」が一つの指針として国土交通省から提示されたことをきっかけに、入居者が自身の手で自分好みの部屋に内装をカスタマイズするDIY可物件が現在も広がりつつあります。
そこで今回は、人気が高まっているDIY可物件の基本知識や、築古物件で取り入れる際のメリットなどをお伝えしていきたいと思います
DIYは「Do It Yourself」の略で、直訳は「自分でやる」という意味。
その言葉どおり、自分の手で何かを造り上げることを指し、現在はインテリアや収納家具、また、内装にいたるまでDIYは広がりを見せています。
昔は“日曜大工”として会社勤めのお父さんの趣味であったものが、”“DIY女子”という言葉もうまれるくらい、男性に限った趣味・興味でもなくなってきています。
DIYの一番の楽しみは、工具の準備から設計・組み立て(施工)まで自分の手で行うことで味わえる達成感と、そして自ら造り上げた内装・インテリア・家具などに囲まれた空間での生活です。
またもう一つ、DIYのメリットとして挙げられるのはコスト面。
道具をそろえたり、必要な資材を調達するにはある程度費用が掛かりますが、それでも職人さん(業者)に施工を依頼する場合に比べて安くできるという点も大きなメリットです。
DIYは、今までやったことがない方でも「やってみたい!」と思っている方、そしてDIYが好きな方は「もっと本格的にやってみたい!」と思っている方は相当いると考えられ、潜在的にも顕在的にも高いニーズがあるのではないでしょうか。
そこでこのようにニーズがある「DIY」について、賃貸物件でも取り入れよう!という視点で次の目次からご紹介していきたいと思います。
「DIY可物件」という言葉を耳にしたことはありませんか?
実はDIY可物件を専門に取扱うサイトもあるくらい、入居者にとってDIY可物件は魅力的なのです。
~「DIY可物件」とは~
賃貸住宅は一般的に、「入居者側で内装は変えられない」というルールで運用されています。
一方、DIY可とされている賃貸物件は、内装の変更を入居者側が行うことができるというものです。
多くの場合は退去時の「原状回復義務」もなく、物件の借主(入居者)が、「自ら」もしくは「自ら選んだ施工業者」の手によって内装を改装することができるというもの。
従来の賃貸物件においては、「他の条件は良いか内装や仕様がイマイチ好みに合わない」と思う入居者にとって内装変更不可のルールはデメリットでした。
そこでDIYに興味を持つ方が増えている背景をもとに、冒頭でもお伝えした国土交通省の指針が加わったのを機に、「内装変更自由」「原状回復義務なし」という条件での物件賃貸の取り組みが始まり、DIY可物件として広まってきているのです。
~DIY可物件の中身~
DIY可物件の中身について一般的な内容をご紹介します。
■DIY可物件
① 入居前・入居中の修繕義務について
→原則、入居前/入居中の修繕は入居者側の負担となる
※構造部分の修繕はオーナー側の修繕義務が発生します
② DIY部分における費用負担
→入居者自己負担
③ 退去時の原状回復義務
→「②」において施工された箇所については退去時の原状回復義務はなしとする
④ DIY工事の申請について
→事前に工事内容についてオーナー側の承諾、および合意が必要
ご覧いただいているように、DIY可物件の諸条件は一般的にオーナーさまが本来負担する内容が削減されたものとなり、そして入居者にとってもDIYができるという、嬉しい条件がそろうため、オーナーさまとしては取り入れるメリットは大きいのではないでしょうか。
物件の築年数が経過すると空室が目立つようになったり、なかなか次の入居者が見つからなかったりという「空室リスク」が高まってきます。
トレンドや時代のライフスタイルに合わせるには大掛かりなリフォームによって改修を行わないとそのような事態はなかなか解消しないのが現実です。
そこで今回ご紹介の「DIY可物件」は、入居者は自分の好みにぴったりの内装に自ら変えることができ、そオーナー様としても、本来は行うべき「原状回復」や「改修」の部分は行わずに現状のままで入居者へ貸し出すことができる、入居者とオーナー側双方にとってメリットの大きい賃貸物件です。
また、DIY可物件の入居者は、自ら造り上げた部屋に愛着を感じ、一般の入居者より長期入居が見込まれるといったメリットもあるかもしれません。
目次2を参考とした事前のルール作り、また、工事内容に関する確認・承諾・工事中の安全管理などは必要と考えられ、オーナー様としては手放しで入居者へ全てを任せられるものではありませんが、築年数が経てば経つほどさまざまな負担が発生するオーナーさま側にとっては、その一部を入居者と協力して進めていくことができる、理想の賃貸スタイルではないでしょうか。
今回はDIY可物件についてご紹介しました。
DIY可物件は、築年数が経ち古くなってきた建物でも、オーナーさま側が大きな出費(大規模リフォーム)をせずに賃貸物件を運用することができ、空室リスクを減らすことにつながる可能性もあります。
事前準備と入居希望者とのコミュニケーションを円滑に進めることを大切にしながら、ぜひ「DIY可物件」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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