2023.02.05
物件の老朽化、空室長期化、競合物件との差別化・・・など、さまざまな理由から所有物件のリフォームを希望するオーナー様の多くはリフォームするための資金繰りが難しく、実際はリフォームをしたくてもできない、といったお悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
そのようなオーナー様に活用していただきたいのが、リフォームの補助金制度です。
今回はリフォーム代金の一部を支給しオーナー様の負担を軽減してくれる補助金について解説いたしますので、ぜひ参考にお読みください。
リフォーム補助金制度とは、リフォームや改修にかかる費用の一部を、国や自治体が補助(支給)してくれるものです。補助金制度は、対象とする工事費用の一部を補助することで、自治体をはじめとする地域経済の活性化や、耐震・省エネなどの住宅の性能が広く向上していくようにと設けられたものです。
補助金は、「支給」されるものであり、銀行から受ける融資(ローン)のように返済する必要はありません。
少しでも自己負担が抑えられるように有効活用しましょう。
補助金はどのくらい出るの?
補助金で支給される金額は、対象となる工事内容、また、制度もよりますが、数万円から、中には100万〜200万円程度補助される場合もあります。
補助金の種類にもよって異なりますので、現在取扱いのある補助金制度を随時確認することがおすすめです。
物件をリフォームするにあたり、リフォームする内容や規模は実にさまざまです
クロスの貼り替えや床張り替えの部分リフォーム、居室内全体の内装、内装と設備一式をリフォームする場合、または、間取りを一新するリノベーションや、外壁や屋根の塗り直し・葺き替えなど。
費用としては、クロス貼り替えだけだとしても、貼り替えする面積次第ではありますが最低でも10万円前後は掛かりますし、設備機器の交換を含むリフォームや、外壁・屋根リフォームの場合は100万円を超える予算が必要となってきます。
内容によって大きな金額がかかるリフォーム工事。
オーナー様の多くはしっかりと収支計画を立て賃貸運営をしていらっしゃることと思いますが、補助金制度を知り、そして上手に活用していくことで積極的にリフォームを検討できるのではないでしょうか。
補助金制度は、どのような工事でも支給され、そしていつでも利用できる、とは限りません。
そのため、まず気を付けるべき重要なポイントをお伝えします。
★気を付けるポイント
一番大切なポイント、それは「申請のタイミング」です。
補助金の多くは、原則、未着工のタイミング(工事を始める前の段階)で申請を行う必要があるとしている場合が多く、
すでに着工している工事の場合は申請の対象外となるケースがあります。
また、「申請期間」や「支給予算上限」が決まっていることが一般的ですので、リフォームの検討を始めた段階で補助金それぞれの各種条件を確認していくことが大切です。
特に「支給予算上限」については、申請期間内であっても申請の補助額が予算上限に達した場合は早期に受付終了となってしまうため、せっかく補助金を申請する予定が間に合わなかった・・・ということにならないよう、スムーズに進められるように事前に準備を進めておくことをおすすめします。
補助金制度、必要書類、手続きの進め方などについて、まずは補助金を運営している自治体や機関などのホームページを確認し、不明な点は直接窓口で確認するようにしましょう。
長期優良住宅化リフォーム推進事業とは、国土交通省による、既存住宅の性能向上リフォームや、子育て世帯向けに、子育てがしやすい生活環境への改修等を支援する目的で設けられた事業です。
~対象となる建物~
対象となるのは、これからリフォームを行う住宅です。既存の戸建て住宅だけではなく、共同住宅も対象となりますのでオーナー様も利用ができる嬉しい補助金制度です。
~対象となるリフォーム~
補助の対象となるのは、「住宅の性能向上」のためのリフォーム工事費、または、子育てしやすい環境整備のための改修工事費、三世代同居の環境整備のための改修工事費、などです。
①省エネルギー対策
断熱サッシへの交換、高級率給湯器への交換
②耐震性の向上
耐力壁の増設、屋根の軽量化
③維持管理・更新
給排水管の更新
④バリアフリー工事
手すりの設置、床の段差解消
⑤高齢化へ備えた住まいへの改修
玄関スペースの拡大
⑥テレワーク環境整備
部屋の仕切るための壁設置や建具の設置
⑦子育て世帯向け改修工事
住宅内の事故防止改修、子どもの様子の見守り、など
⑧三世代同居対応改修工事
キッチン/浴室/トイレ/玄関などの増設工事
(リフォーム後に上記のうちいずれか2つが複数箇所あることが必要)
⑨防災性の向上
自然災害に対応する備え、電力、水の確保など
~補助金の補助率と上限額~
■補助率
対象費用の1/3
■上限額
リフォーム後の住宅性能によって以下いずれかが補助の上限額となります
A 長期優良住宅の認定ではないものの、一定の性能向上が認められる住宅
→100万円/戸
B 長期優良住宅として認定を取得
→200万円/戸
C 「B」から更に省エネルギー性能を高めた住宅
→250万円/戸
~注意点~
一つ前の目次でもお伝えしましたが、こちらの補助金もリフォーム前に申請が必要なタイプの制度であり、さらに、既存住宅状況調査技術者によるインスペクション(調査)が必要になります。
申請の手続きはであるといわれ、少し大変かもしれませんが、補助金が受けられればオーナー様にとってはかなり自己負担額が減りますので、しっかりと条件の確認をしていきましょう。
今回ご紹介した以外にも、住宅セーフティネット制度やこどもみらい住宅支援事業などの補助金制度もありますので、色々と調べて賢く補助金を活用できると良いですね。
なお、令和4年度の長期優良住宅化リフォーム推進事業については交付申請が終了していますが、先月発表された国土交通省資料によると
・改修パッケージ補助の創設・設計(既存住宅の省エネリフォームへの支援の強化
・再エネ導入への支援・既存ストックにおける先導的な省エネ改修
が令和5年度予算の主要事項に記載されています。
引き続き事業継続の可能性が高いと思われますので、今後の動向を注意してみていきましょう。
■参考 国土交通省住宅局資料
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001510028.pdf
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