2022.11.25
物件の築年数が古くなると、建物や共有部だけではなく、各物件内のさまざまな設備に劣化や不具合が生じやすくなってきます。
そこで今回こちらでは「設備交換」をキーワードに、退去リスクを減らし、長期間の入居につなげるためのポイントをご紹介します。
賃貸運営を続けていると、必ず起こる設備の故障。
入居者、または管理会社から不具合の連絡を受け、点検や修理手配、交換の対応を行ったことは今までに何度もあるのではないでしょうか。
このように設備については、入居者から故障の連絡を受けて、必要に応じて修理や交換をすることが一般的ですよね。
ですが、もし給湯設備が故障してお湯が出ないと連絡があった場合、すぐに業者へ連絡をして点検の手配をしたとしても、実際に点検に来てもらうまでの時間が必要となり、そして、点検によって修理または交換が必要と判断された場合、その工事に入るまでにはまた更にそこから日数を要する場合もあります。
そうなると入居者は洗面や家事などにお湯を使用することができない他、お風呂も利用できないため近所の銭湯などの入浴施設を利用しなければならないなど、日常生活に大きな支障が出てしまうことは明らかです。
実際、設備交換も費用が掛かります。壊れてもいないのに交換をすることにどんなメリットがあるのかを実感するのは難しいことかもしれませんが、先手・先手で物件設備の手入れを行う姿勢は入居者にとって非常に頼もしく感じれられ、「良い賃貸物件である」という印象を与える事ができるのは確実です。
入居者目線に立ち、入居者が不便・不満に感じる可能性があるポイントを積極的に解消していきましょう。
一概に全ての住宅設備がそうであるとは言えませんが、大体の住宅設備の寿命(耐用年数)はおおよそ10~15年が目安となり、設備メーカーも、大体発売から10年間は修理における部品交換等に備えて部品供給が可能な体制を取っていると言われています。
このように、おおよその目安に沿って、使われる頻度にもよりますが大体15年程度を目途に交換を検討すると良いでしょう。
ただ、実際に15年経ったからといって何も不具合のない設備を全て交換するのは現実的ではないかもしれませんので、次のような状態が見られた時は交換を検討することをおすすめします。
■キッチン
キッチンには、ガス(IH)コンロやレンジフード、シンクや排水管、天板などの数多くの設備が装備されています。
・コンロの火がつきにくい、使用中に消えてしまう
・IHの火力調整ができない
・レンジフードを回すと異音がする
・水栓の出が悪い、手元の温度調整がうまく機能しない
・シンク、天板の劣化が目立つ
・排水の流れが悪い
■トイレ
・便座が温まらない、洗浄水が出ない(ウォシュレットの場合)
・流れが悪い
・詰まりやすい
■浴室・洗面
・手元の温度調整がうまく機能しない
・水が完全に止まらない
・掃除をしても落ちない汚れが目立つ
■エアコン
・温まりにくい(冷えにくい)
・風の音がうるさい
築後年数が経ち、前回の設備交換から年月が経っているような場合はいつ問題が起きるか分かりません。
そして古い設備は、新しい製品に比べ「性能が落ちる」「省エネ性が低い」といった面で、光熱費が高くついたり、使い勝手の悪さを感じたりと、入居者にとってマイナスな部分が出てくるのも事実です。
このように、設備が古いことで光熱費が他と比べて高い、また、いつ壊れるか分からないような不便な生活は入居者にとって非常に不利益で、物件に対する不満につながってしまいます。
一般的に、退去につながるような物件に対する不満は「騒音の問題」や「近隣住民」が大きな原因になると言われていますが、「設備に対する不満」も退去理由となることも多く、オーナー様としては気にしておくべき大きなポイントです。
とはいえ入居者としては、さほど大きな問題ではない限り管理会社やオーナー様へ連絡をするのは気が引けると思う方もいらっしゃるため、なかなか表面化しづらい問題です。
実はそこが大きな問題で、気になることを伝えてもらえないまま、物件に対する不満が大きくなり、それがきっかけで転居をすることになってしまう可能性があるのです。
そのためには、日ごろから物件設備の老朽化や不具合についてはしっかりと入居中も気を配っておくことが大切です。
例えば1年に1回程度入居者へ設備に関するアンケートを行うのも良い対策です。
貸主側からこのようなアンケートが来れば、気になる程度の問題でも伝えてくれる可能性もあるからです。
※とはいえ、書けば「交換してもらえる」「対応してもらえる」とは思われないように、その辺りはあらかじめしっかりと伝えましょう!
入居中の満足度は長期入居につながる大切な要素であり、入居者に満足してもらうためには入居者に安心感を与えるということが非常に重要になり、設備面のフォローもそのひとつです。
築古物件でも安心・安全な住まいであること、そのためにしっかりと取り組みをしていることをしっかりと入居者へ伝えて早めの対処をしていくことで長期入居を目指しましょう。
いかがでしたでしょうか。
設備面の交換やフォロー、これらは入居率を上げ長期入居を支える非常に大切なポイントですので、しっかりと対策を取って入居率アップと長期入居につなげましょう。
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