2023.11.06
近年、働き方の多様化と共に、オフィスの役割やデザインも大きく変わりつつあります。
テナントのニーズが多岐にわたる現代では、一律の間取りやデザインでは満足度を確保しにくいのが実情でもあります。
そのような中では、柔軟な間取りと最新のオフィスデザインを取り入れることが、築古ビルでも魅力的な物件として需要を生み出すカギとなっています。
このコラムでは、実際に内装のリノベーションで物件を再生させていく方法や効果について解説していきたいと思います。
築古ビルをリノベーションする際、その魅力をより高める要素の一つが「柔軟な間取り」です。
近年、多種多様なビジネスモデルやワークスタイルが登場している中で、テナントが自社の業態や組織風土に合わせて空間をカスタマイズできる柔軟性は、非常に高い人気があります。
・テナントの多様な要望に応えるためのスペース活用
ビジネスの規模やチームの構成、業種によっては短期間での変動が予測されることも。
そういった変化にも迅速に対応できる空間設計は、テナントからの評価が高い傾向にあります。
例えば、スタートアップ企業は急激な拡大を遂げることもあれば、突然スリム化することも。
変化に対応しやすい柔軟な間取りが可能な物件なら、その都度ニーズに合わせて部屋の使い方を変更することが可能です。
・パーティション(パーテーション)の活用
柔軟性を持たせるための具体的な手段として、移動式のパーティションの導入が挙げられます。
パーティションによって1つの大きな空間を必要に応じて複数の小部屋に分割したり、逆にオープンスペースとして活用したりすることが容易になりますので、事業の変動に合わせてレイアウトの変更がスムーズに行えます。
柔軟な間取りの最大の利点は、やはり事業の変動に対する迅速な対応でしょう。
組織の変化に合わせて、必要なスペースを確保したり、新たなチームのためのエリアを設定したりすることが容易になるため、テナントは中長期的な視点での入居を検討する際に、築古ビルのリノベーション物件を選ぶ大きな動機の一つとして考えることができるでしょう。
築古ビルのリノベーションを行う際は、最新のオフィスデザインのトレンドを取り入れることで、企業のイメージ向上や働きく人のモチベーションへとつながる物件へとその魅力をアップさせることができます。
■オープンスペース、ワークラウンジ、個別ワークスペースなどの機能別エリア
近年のオフィスデザインのトレンドとして、特定の機能を持つエリアを設けるスタイルが注目されています。オープンスペースは、社員同士のコミュニケーションを活発化させ、アイディアの交換や協力を促進します。一方、ワークラウンジは、カジュアルな雰囲気での打ち合わせやリラックスタイムに最適。
そして、個別のワークスペースは、集中を要する作業やプライバシーを保ちたい時に集中して業務を勧められる場所として、多くの企業で導入されています。
■グリーンやアートを取り入れたデザインがもたらす効果
オフィス空間に、観葉植物やアートを取り入れることで、リラックス効果や創造性の向上が期待できます。
特に、観葉植物=緑色はリラックス効果があり、空気の浄化作用も持つため、健康的なオフィス環境を作る上で欠かせない要素です。
また、アート作品は時にインスピレーションを与えてくれます。
これらの要素を上手く取り入れることで、オフィスがただの作業場所ではなく、人々が心地よく過ごすことができる空間へと変わります。
こちらの目次では、築古ビルのリノベーションにおいて、テナントが満足し、長期間にわたって入居してもらうための成功のポイントをいくつかご紹介します。
■テナント満足度を高めるインテリアの選定と配置
インテリアの選び方一つで、ビルの魅力は大きく変わります。
質感やデザインにこだわり、テナントのブランドイメージや働く従業員の心地よさを追求したインテリア選びが必要です。
配置においても、効率的かつ快適な空間利用が求められます。
通路はスムーズに移動できるように、また、自然光がうまく部屋にはいるような工夫も大切です。
■快適性と機能性を両立させる家具や装飾品の選び方
家具選びも非常に重要なポイントです。
オフィスチェアやデスクは、長時間使用するものだからこそ、快適性を確保する必要があります。
また、観葉植物やアートなどの装飾も、働く人々のモチベーションに大きく影響します。
ただし、あくまで「オフィス」として広いターゲット層から好まれる物件であることも重要ですので、やり過ぎは逆効果です。
■音の環境を整える
立地によっては、外の騒音がオフィスにまで響いてしまう物件もあるでしょう。
そのような場合は、オフィスとしての機能性を上げるため、吸音材を貼るなど、対策を行いましょう。
実際にリノベーションを行う際は、今回のコラムのタイトルにもあるように「テナントのニーズ」がどのようなものであるか、それをしっかりと調査することが何よりも大切です。
せっかくあれこれ工夫をしても、実際のテナント側にとって魅力的でなければ入居の需要は見込めません。
しっかりとニーズを調査・解析し、どのようなリノベーションが求められているか=効果があるかを見つけ出すところから始めましょう。
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